記事一覧

映画『禅 ZEN』  2008年  日本

(2009年01月25日の画像付き日記から移植、加筆あり)

静岡ミラノ座にて、映画『禅 ZEN』を観賞しました。
鎌倉時代初期に曹洞宗(禅宗)を開き、永平寺の開祖となった道元禅師の物語です。
簡単に言えば‘座禅’を広めた事で有名な禅僧「道元」ですが、
同じ時代の「親鸞」「日蓮」と比べてしまうと‘華やかなエピソード’が少ない地味な人物像です。

主演は今をときめく「中村勘太郎」、反面、映画は道元の人物像と同じ‘静かな展開’でした。
いや、悪い意味ではなく、静寂に包まれた中にも製作者の情熱を感じ、良い映画だと思いました。
映画では奇跡も無く、道元が華々しく活躍する場面も皆無、淡々とストーリーが進みます。

自分は、ほろ酔い気分で映画を観ていたので、居眠りをしてしまうのではないか、と心配したのですが
時には涙ぐみ、時には熱く胸打つ事もあり、映画の中にぐいぐい引き込まれてしまいました。

出演:中村勘太郎 * 内田有紀 * 藤原竜也 * 村上淳 * 哀川翔 * 勝村政信 * 笹野高史 * 西村雅彦 * 高橋惠子

案外、メジャーな名前もありますが、高橋惠子(母役)、西村雅彦(高僧)は映画の初っ端にちょっとだけ。
藤原竜也は悩める若き執権「北条時頼」役で映画後半の30分位からの出演でした。
遊女役(のちに出家)の内田有紀は艶のある女優さんになりましたね。ス・キ♪ キャッ
哀川翔は遊女(内田有紀)の旦那役、居るだけでもイヤラシイ光を放っていますねぇ^^。

映画の中で「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬 雪さえて(冴えて) すずしかりけり」と言う場面で、
「あたりまえじゃないか」と誰かが言います。
春には花が咲き、夏はホトトギス、秋は月が綺麗に見え、冬には雪が降るわな・・・
あたりまえの事を表現してると思います。
それは何でもないような事にも感銘を受けるような、あるがままに無心に生きよ、と言う意味なのでしょうか。

あるがままに…昔からビートルズの「Let it be」を「あるがままに」と和訳されたままですが、ならば「神の御前に」が付く筈です。
もっとも彼らが崇める神はキリストではなくルシファーだったのかもしれないので
「Let it be」は「(快楽も物欲も本能のまま)あるがままに」と表現すれば良いのでしょうか。

いずれにしても、「本能丸出しにあるがまま」の悩める現代社会に生きる(無神論者の)自分は
ちょっと気持ちを落ち着かせて、たまには座禅の真似事でもやってみるべきか・・・と思った次第です。
そうすれば、庭先の梅・桜が花を咲かせる頃に「ああ、春だなぁ、おや?去年と少し咲き方が違うかな」とか
素直な気持ちで春を・四季の移り変わりを感じとる事ができる自分になれるのかもしれません。
静かな、そして、心清める価値のある映画でした。

‘春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬 雪さえて(冴えて) すずしかりけり’・・・日本は美しい国なんですよね。