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ミステリースポット10 青木が原樹海・夜の国道139号線

2002年6月12日 ミステリースポット10     青木が原樹海・夜の国道139号線

青木が原の樹海は自殺の名所で有名ですね。
奥深く迷い込むと方向感覚がマヒすると言われています。
コンパスも狂うなんて聞いた事あります。
そして夜の青木が原樹海を突っ切る国道139号線は不気味です。

大昔、ある夏の夜の事ですが、先生(教師)からTELがあったんです。
「××にいるから迎えに来いゃ」私はバイクで迎えに行きました。
××とは七間町通りから少し入ったディスコです。
(店の名前がハッキリ思い出せないですが、ブラック・ハウスとかフラミンゴとか、かな??)
店内には強面(こわおもて)の先輩グループがいた事は記憶にあるので
多分、私は愛嬌を振りまきながら挨拶をして、早々に恩師を外に連れ出したと思います。
それから彼は酔い覚ましにバイクで走れと言ったので適当に東に向かったんです。

それで、バイクは国139号線を走っていた時の事でした。
深夜ですから車1台も走っていなくてあたり一面真っ暗なんですよ。
鳴沢風穴付近の樹海を通り掛った時に、先生がヘンな事言ったんです。
「おい、今、女が居たぜっ~!」バイクのエンジン音がうるさいので大声でわめきました。
私は見ていないので冗談かと思っていました。
彼、まだ何かブツブツ独り言を言っているんです。酔っ払いはイヤですね。
だから私は知らん顔して運転していました。

その後は途中で一服休憩しようと思っても「停まるな!停まるな!走れ!」って言うんです。
結局、二人とも黙ったままで、湖畔(河口湖)に到着しました。
私、聞いたんですよ「先生、どうしたんですか~?」
白い服の女性が道端に立っていたと言うんです。
「えっ!じゃぁさっきの話は本当だったんですか!?」

彼が言うには、おいで・おいでをしていた。
私に言った後、後ろを振り向いたら、まだ見えた。
見えるだけならまだマシで、近づいて来た。走ってくるんじゃなくて
宙に浮くように近づいて来た。だから、怖くなって経を唱えていた、と。
「オマエ、聞こえていたんだろ?」
ブツブツと聞こえていたのはお経だったんですね。
聞こえなくて良かったです、聞こえていた方が怖いですから。

彼はそれから暫くの間、このことを話題のメダマにしていました。
「見たぜ!見たぜ~♪」って。
彼のアパートに人が集まると必ずこの話を持ち出しました。
先生、アルコールが入ると
話に尾びれ背びれをてんこ盛りに付けて言うから、初めっから嘘だったな、と思いましたけど
私は「ぅ・うん・・・、俺も見たょ」と言うしかなかったです。

アイテムがバイクから車に替わってからも深夜のドライブにはよく出掛けました。
ある夜、友人の車に同乗していた時の事でした。
私ともう一人の友人が例(霊か?)の付近で、用足しにガマン出来なくなりました。
車を停車してもらい、すっきり済ませた後、
乗ろうとしたら車がタイヤを鳴らしてイキナリ発進するじゃないですか!
恐怖のどん底ですよ~、真っ暗なんです。二人で全力疾走して後を追いかけました。
車は20m位の所で停まっていたと記憶していますが、
今、思い出すと距離がやたら長く感じましたね。

友人は車の窓から顔を出して「早く来い!早く来い!」と叫んでいる。
私「なんだよ!バッカ野郎!心臓が止まるじゃね~かよぉ!」
多分、こんな会話があったと思いますよ。
やつ「ヘンなモノが居たんだよぉぉ・・・」それは女性のような姿をしていたと言うのです。
わし「嘘つくなよ!!悪ふざけしただけなんだろッ!」
やつ「白い服来たおんながこっちに向かって来たから怖くなって急発進したんだぁぁ!」

恩師との一件から数年は経っていましたが、瞬時に思い出して全身鳥肌が立ってきました。
あの話は本当だったんだぁ!!
俗に言うと「おれ、鳥になっちゃった」状態です。
速攻でその場から逃げた去った事は言うまでも無いですよね。

以前聞いた話ですが、この付近では、同じ国道139号線西湖入り口のバス停が有名なんですよ。
目撃談、体験談が非常に多いので新聞ネタにもなったそうですし調査も行われたそうです。
体験談は特に、地元のタクシー運転手さん達のが多っかたようでした。
よくあるパターンの「乗せたら、いつのまにか消えて座席だけが濡れていた」と言うお話です。
その体験談も全て・・・女性の幽霊でした。

青木が原樹海内の捜索では年に30体以上の御遺体が発見されるようですが
多くの亡き骸は私たちが想像するより浅い場所、
幹線からあまり遠くない所で発見されると見聞しています。
観光客がその気になって遊歩道の脇とか茂みの中に目を凝らして見れば見付ける事が
出来るような場所らしいのです。
自殺者の方は本能的に見つけてもらいたいと願っているのかもしれません。

先月(5月)の某日、ドライブの途中で鳴沢風穴に寄りましたが、偶然にも警察・消防団の方々が
捜索を開始するところに遭遇しました。
私は風穴から出て来て、帰り道を歩いていたところ、彼らとすれ違いました。

辺りを見回し、自殺する人はどんな気持ちでこの樹海の中に入って行くのか・・・と思うと
言いようの無い気持ちに私は思わず心の中で合掌しました。

  • 2002年06月12日(水)16時50分

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