2002年6月5日~6月15日まで お気に入りの1枚に掲載 「眠れない夜と」
ベルナール・ビュフェ展示画目録No29(1985年)とNo35(1987年)です。
グラスにはビュフェの横顔。彼の瞳には何が写っているのかな・・・
なんて、夜中にぼんやり考えていました。
私にも、たまには眠れない夜が訪れるワケですが、そんな時って、ちょっとセンチになりますよね?
この日は偶々聴いていた歌の・・・♪あなたの好きなコーヒーと煙草の香り・・・
この歌詞に敏感に反応しました。
「あれっ?俺はコーヒーをブラックで飲む癖、いつ頃から?だったかな?」
「染付いた癖」って、みなさんには無いですか?
染付いた癖って不思議なんですよ、染まった原因・理由は様々ですが、あたかも自分本来の癖のように、ごく自然に振舞っています。
まぁ、早い話が、好む・好まざる関係無く、過去を引きずっているワケです。
でも、半分、忘れかけているから、誰に仕込まれたか、何処からパクってきたのか、いつ頃からなのか、あやふやになっている。
記憶も勝手なモノで、フラフラと一人で歩いて行ってしまう。
楽しい思い出は忘れやすく、苦い思い出はより苦いです。
切ない思い出は美しくなってあの日のままだけど、経年劣化していく自分がより醜く思います。
そうは言っても思い出に生きているワケじゃないので、「あの日あの時あの場所」をいつまでも女々しく想っていても仕方が無いし
匍匐前進(ほふくぜんしん)でもして前向きに考えなければやってられない。
こんな、とりとめの無い事を漠然と考えながら、展示画目録を眺め、
微かな記憶を辿り断片的なシーンを手繰り寄せて、虚ろな夢想の世界を彷徨っていました。