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9、DSGは凄い その1

DSGとはダイレクト・シフト・ギヤボックス(別名デュアルクラッチ・ギヤボックス)の略で電子制御クラッチを備えた2ペダルMTシステム(セミAT)です。このツイン・クラッチ式トランスミッションのアイデアは戦前(第2次世界大戦前)からあったという事ですが当時の技術水準ではなかなかモノにならず、近年フォルクスワーゲンが一般量産車向けに開発し量産に漕ぎつけた。

A.J(アウディジャパン)では「もともとはアウディS1などのラリーカーからフィードバックされた技術です」とコメントされている。この新開発のトランスミッションDSGが日本に上陸したのは2003年、初めて採用されたアウディTTクーペ 3.2クワトロ S-lineが記念すべき最初のクルマでした。

そしてDSGについては「ATモードのDレンジを選んでスロットルを踏み込んでも、この手のシステムにありがちなギクシャクとした感触は皆無で、トルコン式ATとほとんど変わらぬスムーズさでギアが連続的にシフトアップされていく。もちろんシフトダウンも、必要とあればブリッピングを駆使して、見事に決まる。さらに、ステアリングホイール裏のパドル操作によるマニュアルシフトも、すこぶる歯切れがいい。」と紹介されています。

概ねその通りだと納得し私は大変満足しています。ただ、極低速域の微妙なアクセル操作時に少しギクシャク感が伴う場面もあり、ちょっと興醒めする時もありますが‘シフトアップ・ダウンの走行フィーリングがトルコン式ATとほとんど変わらぬスムーズさ’どころか今までのATでは体験した事がなかったダイレクト感(MTのような感覚)スムーズ感は快適そのものなのでDSGの評価を下げる要因にはなりません。

また、DSGはトルコンを使用していないのに普通のトルコン式ATでは当たり前のクリープ現象もちゃんとあります。私の感触では前愛車よりクリープが若干弱いと思いますが慣れの範疇なのでまったく問題ありません。気になる燃費は前愛車(A4アバント2.4クワトロ)と比較するしか術が無く、大雑把になってしまいますがTT 3.2の方が確実に良好で遠出の場合は特にその差が歴然とします。

ファイル 290-1.jpg良いところだらけで、どーもすみませんって感じのDSGですが、量産化されてからまだ年数が浅いのでトラブル・耐久性とかに、ちょっと神経質に考えてしまいます。でも商用車にも使用されているし今後も積極的に搭載されてワーゲン・アウディの主流になるようなので大丈夫なんでしょう。

通常使用するATモードにはDレンジとSレンジがあります。マニュアルモード(ティプトロニック)を使用したい場合にはDレンジからシフトレバーを横(マニュアルゲート)に移動して、アップ・ダウンは±を使います。シフトアップは+方向(前方向)にレバーを軽く押す、シフトダウンはその逆でマイナス方向(後ろ方向)にレバーを軽く引くだけです。Sレンジから直接マニュアルゲートへの移動はできません。

ただし、Sレンジ(Dレンジも同様)でAT走行の状態からステアリングのパドルシフトを操作すれば瞬時にマニュアルモードになってシフトアップ・ダウンは思いのまま、操作自体はチョン、チョンって感じで指先で軽くパドルの裏を押すだけですが小気味よくきまるので、そのフィーリングは‘スパン!スパン!’と、歯切れのいい効果音が頭の中で流れるみたいです。

この場合、Sレンジ(Dレンジでも)にシフトレバーを入れた状態のパドルシフト操作で行うマニュアルモードはワンショットの命令なので、予め設定されている30秒の間に再びパドルシフトを操作しなければ、この命令コードはモーダル情報をクリアされて直前のシフトレバーが入っているATモード(SレンジかDレンジ)に自動復帰します。

【2009年08月22日追記 DSGについての記述補完】その2に続く

  • 2006年04月27日(木)22時09分

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