現在AudiでLineupしている旧世代車種はTTが最後になりました。やはり私はTTが良いと思ってしまう、と言うより旧アウディのstoicな佇まいが好きなんだと思った次第です。
Audi車の中でひときわ異彩を放ったこのデザインですが今でも色褪せず、そして美的センスを周囲に強要しません、やはり以前のAudi流の‘avantgardeもさりげなく’と言ったところでしょうか、このブランドのシャイな性格を感じています。
あくの強さ(個性)を増し美的センスを強要しているかのように逞しくなった昨今のAudiの指向性は何処かのプレミアムブランド達にシンクロナイズしているように見えて、それはそれでアクティブで魅力的ですが、ナルシストでシャイを自認する私には受け入れ難いです。
孤高と表現するにはあまりにも無理がありますが理性で官能を抑制しているかの如くの以前の禁欲的な美的感覚、且つ内気な匂いを感じるAudiを愛してやみません。
Audiとの出会いはAudi80(B3)2.0FFが最初で、このクルマを購入した直接の動機も今回と同じ‘衝動’だった。紆余曲折はあったが10年8ヶ月の間乗り続ける事ができたのは端整な(抑制された華麗な)デザインだったのも1つの要因です。
今でも80を見かけると振り向いてしまう自分がいる。私はこの80に相当愛着があったようで以後の愛車には‘形見’のように同じナンバーを付けています。
そのナンバーが今は、かってのAudiデザインの最もコアな存在で象徴でもあったTTに付いている。私の車歴でAudi車の最後を飾る事にならないように今後もAudiに魅力のあるクルマを期待しているが、もし、そうなったとしても華々しくて相応しいかなと、ふっ、と思ってしまう。
つまり‘衝動買い’の80で始まったAudiとの付き合いが‘衝動買い’のTTで幕を閉じるなんて‘これまた一興(シャレ)なり’かな・・・と、買ってまだ2ヶ月も経っていないのに、こんな事を言うのは支離滅裂だと承知の上ですが、頭をよぎってしまうのだからしょうがない。シャイなナルシストに似合うクルマが少なくなったと思います。
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2020年03月31日 「TT 3.2q のコラム」の7番記事でした。