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7、真夏の夜のジャズ(JAZZ ON A SUMMER'S DAY)ニューポートジャケット

「真夏の夜のジャズ」とは1958年7月に開催された第5回ニューポート・ジャス・フェスティバルをドキュメントチックに描いた貴重な記録映画であります。国内盤(日本語字幕)DVDは1999年4月にHERALDから販売されましたが残念な事に現在では廃盤になっています。

中古市場ではLD(レーザーデスク)とVHSビデオ盤が需要と供給のバランスからお求め易い価格帯で推移していますが国内盤のDVDは比較的タマ数が少なくて結構高値なんですよね。

ファイル 434-1.jpg以前から国内盤のDVDを入手したかったのですが結構な高値の為に現在まで躊躇していましたが、8月末に私が入手したDVDは比較的安価な輸入盤の未開封品でした。

ファイル 434-2.jpg嬉しい事に輸入盤には同音源の音楽CDが1枚付属しています。送料込みで約4000円の値段は「買ってニコニコ、売ってニコニコ」の妥当な価格ではないでしょうか。

ファイル 434-3.jpgちなみに日本語字幕が挿入されている国内盤DVDの当時の販売価格は税込み4935円でありましたが、Amazon.co.jpで検索すると現在(この記事の草稿時8月5日)の段階では約14000円~約35000円の販売価格が付けられていました。画像の「真夏の夜のジャズ」はその国内盤の未開封品です。

お値段は上記の輸入盤よりも安価で入手致しました。輸入盤を入手して束の間のある日ネットショップでこれを発見しましたが、あまりの安さに「贋作じゃねえのか」とも懐疑的になりましたが紛う方なく本物だったので超ラッキーでした。眉に唾をつける価格…配送料入れても約2200円。いや本当に。

私はダブルブレスト4つボタンのニューポートブレザー(ニューポートジャケット)が大好きであります。そもそもニューポート・ブレザーという言葉はVANヂャケットが創った造語であります。

その由来となったのがこの第5回ニューポート・ジャス・フェスティバルの映画「真夏の夜のジャズ」の中で某ミュージシャンがダブルブレストジャケットを着用して演奏していた映像があって、それをヒントにして日本だけで通用する商品名をつけたそうですが、某ジャズ・ミュージシャンって誰?…DVD を1、2回観ただけでは判りませんでした、すみません。

もしかして?、くろすとしゆき氏にやられた(でっちあげられた)かもしれない…(冗談ですから)。

ファイル 434-4.jpg画像はJimmy Giuffre(ジミー・ジュフリー)。それから映画の中でヨットが多く映し出されるのはヨットレース(アメリカズカップ)が同じニューポートで開催されていたからです。ジャズをBGMにヨットの映像が流れるなんてリッチな雰囲気がムンムンします。それもその筈、ニューポートは高級避暑地なんですよね。

ファイル 434-5.jpgThelonious Monk(セロニアス・モンク)…わぁ!動いてる~(爆)、いやマジで。動いているセロニアス・モンクを初めて見ましたよ(笑)。凄みがあると言うか怖いと言うか存在感ありますよね、カッコ良いです。モンクと言わずジミー・ジュフリーも、後で登場するジェリー・マリガンも皆皆、衣装がキチンとしています。

アップロード434-6.jpgAnita O'Day(アニタ・オデイ)…わぁぁ!!動いてる~~(爆)、いやマジで。動いているアニタ姐さんを初めて見ましたよ、もう感激モノです(笑)。白い手袋、裾が白いブラックドレス、白い羽の飾りが着いた黒い帽子で登場。エレガントですよね。

アップロード434-7.jpg偉大なるChuck Berry(チャック・ベリー)…でも「何故ここにいるんだ!」と、叫んでしまいました。しかも熱唱しているのは「スウィート・リトル・シックスティーン」…これって、後日のビーチ・ボーイズが歌う「サーフィン・U.S.A.」だよ。私、この歌、嫌いなんです、「USA USA♪」と連呼しているようで(反米感情あらわに)。

どう言う経緯で出演しているのか判りませんが彼の演奏は場に相応しくないと思いました。

アップロード434-8.jpgLouis-Armstrong(ルイ・アームストロング)サッチモさんです。楽しい人、豪放な人です。サッチモさんの最後の演奏「聖者の行進」は圧巻、歌ってトランペット吹きまくって、ジャズ界の大御所が熱く熱く演奏しています。思わず拍手、本当に良い映画です。

セロニアス・モンクの演奏を観客席で聴いていたサングラス男はジェリー・マリガンさん。自分の演奏の時には真っ赤なジャケットにネクタイ。この頃のジャズミュージシャンの方々は服装がしっかりとキチンとした格好なんですね、観ていて気持ちが良いです。

また、タバコを吸いながら練習している映像も流れたりすると「ジャズにタバコは似合うな」とか思ったりしました。他にもダイナ・ワシントン、マヘリア・ジャクソン、ビッグ・メイビル・スミスのお姐さん方のド迫力あるソウルフルなボーカルも圧巻ですな。御身体もビッグなんですがパンチ有り有りでした。

この1958年以後アメリカはキューバ革命、ジョン・F・ケネディの暗殺、泥沼のベトナム戦争と恥辱に塗れていくワケです。私は日本人なので「古き善きアメリカ」というのを知りませんけど、この映画を観ていると「古き善きアメリカ」の一片だけでも何となく解ったような気がしました。

アップロード434-9.jpgまぁ、そんな堅い話は抜きにして、最新のニューポートブレザーを少しだけ紹介致します。今シーズン「VAN パターン・メイド」で新調したキャメル、フランネル(フラノ)のダブルブレスト4つボタン、ニューポートブレザーです。近日中に公開する予定です。

それにしても誰だろう?ダブルブレストジャケットを着ていたジャズミュージシャンっていうのは?うーん謎だ。

my-wardrobe::nonsenseに戻ります。
  • 2007年11月10日(土)11時35分

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