2002年9月28日更新(10月1日文修正) ベルナール・ビュフェのTシャツ
「人間とはなんと愚かな生き物なのだ」と悲観論者は言います。
ビュフェも悲観論者だったのかもしれません。
彼の瞳は冷静にヒトを見つめているようです。
ヒトは最善を求めた結果、最悪の道を選んでしまいます。
世界大戦という最悪の選択をしたヒトを彼は見つめました。
絶望から虚無へ、そして新たな希望を持てたのでしょうか?。
彼の作品は自虐・虚無的空間を抱かせる病的なまでのナイーブで鋭い線で
描かれた時代から、色彩を使うようになった時代へ変化していきます。
それでも彼の自分自身の試行錯誤・暗中模索は続きます。
彼の多様な画風の変遷は自身の芸術への探求でしたが
根底にあったのはヒトを見つめる変遷でもあったのではないでしょうか?
やはり彼はヒトが好きなんだと思います。
そう思って画像の瞳を眺めると仄かな暖かみを感じませんか?
どん底の地獄を味わった彼の、その瞳は優しさを悟られたくないように奥底に隠しているのでは、と想像してしまいます。
(2002年10月01日追記)
彼の風景画にはヒト一人描かれていない街の作品、また描かれていても黒く塗りつぶしシルエットで表現されている作品が幾つかあります。
彼はヒトを拒絶しようとして、逆にヒトの存在を強調させる結果になっていると感じるのは私だけでしょうか?。
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