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No14 ‘男のクルマ’その1 いすゞ べレットGT-R

2003年03月09日 車、よもやま話No14 ‘男のクルマ’その1 いすゞ べレットGT-R

私が幼少の頃(おぃ!ホントかょ)、「こいつはハンドルの遊びが少なくてレーシングカーみたいなんだぜ!」と
実兄が免許を取得したばかりで、友人のべレットGTを運転した時に語った言葉です。
今となってはホントか嘘か解りませんが・・・
べレットGTは日本で初めて「GT」の名を冠した乗用車です。みんな「ベレG」と呼んで親しんでいました。

当時、いすゞのクルマは高い技術力に裏打ちされた魅力ある個性的なデザインで良かったです。
クルマ好きには羨望の的だった117クーペのデザイナーはあの有名なG.ジウジアーロでした。
117クーペの初期型は半ハンドメイドで、品質管理を徹底的に行った為、月産が少なく高価なクルマでした。
性能も良かったですけどね。

本題の「べレG」は2ドアクーペタイプ。デザインは純国産らしいですが欧羅巴大陸の香りがプンプンしました。
簡単に言えば「欧州車のデザインを採り入れたスタイル」かな。当時としてはかなりデザインに拘っていたと思います。
私が運転免許を取る頃はベレットも「GT-R」になっていましたが、生産は既に終了していたかもしれません。
当時としてはルーフアンテナが珍しかったです、一番似合っていたしね・・・格好良かったです。

現在でも私が住んでいる地方(静岡県中部地方)では、時々走っている姿を見ます。
さすがに古典的な印象は否めませんが硬派なイメージは健在です。特にワークスカラーと呼ばれた
車体がオレンジでボンネットが黒にペイントされ、大型フォグランプをFバンパーライン上に配した「GT-R」モデル。
こいつをダウンサスで車高を落とした(シャコタンだろ)クルマがブイブイ走っています。
お手入れにも神経を使っているようで綺麗でした。
いいな・・・

‘男のクルマ’と言われる由縁は外見の拘りも然ることながら技術的・走行性・運転感覚にも
かなり拘っていたからと見聞しています。相当に先進国(特に欧州車)のクルマを研究したと言われています。
コンパクトな車格ですが無駄が無く引き締まったデザイン。前方から眺めるとマッチョな力感溢れる精悍な雰囲気。
心臓は117クーペから移植したDOHCエンジン。そしてラック&ピニオンの切れの良いステアリングが身上でした。
イメージ的には「洒落者」「伊達者」と言うのが妥当かと思います。

しかし日本のモータリーゼーションの進展は著しく、次から次へと新世代のクルマが世に送り出されました。
特にレビン・トレノ・セリカGTV・マークⅡGSSなどトヨタ・ヤマ発のDOHCエンジンの安価量産が驚嘆でした。
これら一連のクルマの性能・価格・品質・特に量産性は新しい日本のクルマ作りを象徴するものでした。

これが感性的に良いか悪いか別にしても、いすゞのそれは既に旧態化していたと言えるでしょう。
資本主義の大生産・大消費時代の波に乗遅れたいすゞの衰退は必然的だったと思います。
いすゞはベレットのモデルチェンジを断念し、同じGM陣営のオペル・カデットを国内生産する事になり
「ジェミニ」として発表しました。

仮に「滅びの美学」「ポリーシーの拘り」を「男の美学」と思っている人がいるならば
この「ベレG」に惚れ込むこと間違いありません。

【注】「GT」「GT-R」を日本で最初に冠したクルマはこのいすゞベレットでした。

  • 2003年03月09日(日)15時08分

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