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第二話「事の始まりは些細な会話から・パート2」

第二話「事の始まりは些細な会話から・パート2」   2005年06月29日更新

年が明けてもいつもと何も変わらぬ日々が始まり、当たり前のように仕事も始まったが、例年以上に正月気分が抜けきらない自分がいた。緊張の糸が緩んでいる状態だ・・・これはもう3ヶ月続いていた。

去年の秋に思いもよらず一つ昇格した事は非常に嬉しかったし達成感もあった。
でも3年半前に役職に復帰できた事さえ幸運なのに、いささか自分にしては出来過ぎで拍子抜けしていた。
簡単に言うと「ゲームオーバー」のような褪めた気分が自分を覆っていたのだ。
サラリーマンだから一つでも昇格すれば励みになってさらに頑張ろうという気持ちにもなるが、その頑張ろうとすべき目的とは何だろう?、と・・・生粋の仕事人ではない私にはこういう精神状態は辛い。

そんな気だるい精神状態を持余していた1月中旬のある日、「悪魔」が私の扉をノックした・・・(やばい・・・小説的な書き出しになってるよ)

【仕事中の何気無い会話・・・偉い人との雑談で】

「Mさん、今度営業と設計にメールアドレスを追加しなくちゃなんないよ~」と面倒そうに偉い人が言った。
(追加アドレスなんて、たかだか年間1個当り100円か200円位だろ?ケチケチするなって)
まぁ、ここで話をスルーすれば良かったのだが・・・私もネット世界の住人、悲しい性なのか敏感に反応してしまった。

「でも、会社はホームページ持っているからドメインだって持っているんでしょ?、ドメインからメールアドレスを割り当てればタダじゃないですか?」
そうそう90個以上は確実に使う事が出来る(例えばduran@duran.jpとかduran_duran@duran.jpとか)。
「・・・」   偉い人は言葉が出なかった。

「ドメインの管理画面とか見た事あります?」「HPの管理は?」の問い掛けにも
「・・・・・・・」  (知らないんだ、この人は・・・)

我が社ならドメインからメールアドレスを全社員に割り当てても、余裕で足りる。
私の知識では有り得ない事だが、今の状態ではその追加メールアドレスも料金が発生するらしい。
結局、ドメインもホームページの管理も外部に委託して年間の経費を支払っているという。馬鹿げた話だと思った。

会社のホームページを置いてあるレンタルサーバーの仕様とか所在を聞いてみても判らないようので契約書を見せてもらい、記載してあったパスワードをFFFTPに入力してアクセスしてみた。

CGIが動くかどうか試してみたが・・・判らん。ファイルの属性が変更出来るか試してみたが(例えば777を707にとか)変更不可・・・「こんなレンタルサーバー使えねぇ!」

そうかもしれないが、そうじゃないかもしれない・・・どっちにしても私には関係無いことだ。
「どうすれば良いのかなぁ?」と偉い人は言った。
「2,3日、時間を下さい、ちょっと考えがありますから」

以前から会社のドメイン名が気に入らなかった私はこの機にドメイン名を変更する事を思いついたのだ。
duran.jpのドメイン管理画面とか自分のHPを見せる事など恥ずかしくて出来やしないので、とりあえずサンプル用に他のドットジェーピー(.jp)名のドメインを取得したりする時間が必要だった。

「それに、.comはもうトレンドじゃないですよ、最近では胡散臭いドットコムも急増してるし、.jpにしましょう。
そうそう!中国の企業も最近では.comから中国を表す地域型ドメイン名に乗り換えていますよ。
これからはそーゆうアイデンティティが必要なんですっ!」って?
おぃおぃ、おまえ、それは本当なのか?・・・私には判りませんが(爆)。

そんなワケで手っ取り早くサンプル用に.jpのドメイン取得とHPのサンプルを超スピードででっちあげて会社のお偉方々に御披露した。
有料アダルトサイトみたいな認証ページなんて作ったり、VAN岡山・浜松さんみたいな「お買い物カゴ」のCGIを設置したりしたので結構喜んでくれた。
(この時に取得した.jpのドメインの代金は完全にボランティア、しかもこのコラムを書いている6月現在では放置されている・・・どーするんだ?)

「じゃあ、任せるから手配してよ」と、偉い人の有難い御言葉。
半分趣味・半分ボランティア=仕事の一部。しかも自分自身のスキルアップに繋がるなんて(これで暫くの間は会社へ出勤する積極的な動機が出来た)と私は喜んだ。
仕事は楽しくやるのが一番いいよ。

この時点での「任せるよ」の意味は「会社の新ドメインの取得」「新ホームページの作成」「メールアドレスの割り当て」が主な意味だったが、さらに深みにハマッていくとは夢にも思わなかった。

・・・・・・・・つづく(かもしれないし、続かないかもしれない)

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  • 2005年06月29日(水)21時17分

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