昔々、そのむかし、私が職場(製造現場)で使用していたTEACのオープンリールデッキが、とっくの昔に
廃棄処分されていたと思っていたのですが去年の11月に発掘されて、廃棄処分されそうになったので引き取りました。
「おまえの会社は製造現場でオープンデッキを使ってジャズとかクラシックを流していたのか!?」
いやいや、そうじゃないですけど。オーディオ機器として使っていたワケじゃないんですよ(ミュージックテープを回しても音は出なかった)
ワケ有りと言う事で、またの機会に御紹介致します(本当に?)。
当時の私はカセットデッキでエアチェック(FM放送の録音)を熱心にやっていた頃でした。
(カセットレーベル‘マルディロ’の記事を参照です。)
それで、毎日々勤務先で使っていたTEACのオープンリールデッキが欲しくて欲しくて、憧れていましたけれど
高価だったし、4トラック4チャンネル(4tr4ch)機だったので購入はあきらめて、このAKAI GX-646BL(ブラックモデル)を購入しました。
妥協して購入したから「安価で性能も良くないだろう?」と思われるかもしれませんが、けっして、そんな事はないです。AKAIの名機です。
GX-646(BL)は4トラック2チャンネル(4tr2ch)、テープスピードは9.5cmと19cmの切り替え、オートリバース機構付き、
テープの装着も容易であります。また、高性能なEEテープ(カセットテープのクロムテープ・クロームテープ相当か?)対応です。
LN(ノーマルテープ)⇒LH(ローノイズ・ハイアウトプットテープ)⇒EEテープ ←こんな性能の順番だったと思います。
録音、再生ヘッドは共に「ニューGXヘッド」と言う耐摩耗性に優れた高性能ヘッドを採用しているので、当時は「半永久的に使える」とか
巷では言われていたと記憶しています(ヒビとかワレ、カケる事例はあったようです)。
ちなみに、往復の再生・録音時間は10号リールテープの場合、最大で3時間(19cm)と6時間(9.5cm)です。
一般用オープンリールテープデッキ(4トラ2チャン)の王道をいく機種で機構的にもクオリティが高かった名機です。
この頃のAKAI製品は輝いていました。
でも毎日々、仕事でTEACの憧れの機種を眼の当たりにして操作していると、やはり、無理をしてでも初志貫徹した方が良かったかな?と
頭を過ぎった事は時々ありました。
実際には4トラック4チャンネル(4トラ4チャン)は一般的(庶民的)ではなく、4トラック2チャンネル(4トラ2チャン)機が主流だった思います。
業務用とか本格派のオーディオマニアは2トラック2チャンネル38cm/19cm(2トラ2チャン)機を使用していたと記憶しています。
通称、2トラ38(2トラ サンパチ)、片道録音・再生、38(サンパチ)とはテープスピードが38cmの事です。10号テープで(片道のみ)最大45分録再。
普及機は往復録音・再生可能な(ランニングコストが優れている)4トラ2チャンのオープンリールテープデッキが一般的でした。
このGX-646は、使用期間も短くて勤務先の後輩に譲り(押売りしたの?)現在に至っていました。
時期的には、たぶんバイクの購入資金に充てたのかもしれません^^。
後輩も初めの頃に少し使っただけで、その後は電源も入れないまま部屋の片隅のオブジェ(放置だな)になっていました。
約束していなかった再会ですが、御対面した時は、年代を感じさせないほど外見は綺麗でしたので正直言って驚きました。
最初は、会社から引き取ったTEACを修理に出している間だけ借りる予定だったのですが、修理を受け付けてくれる業者が
見つからず難儀していたし、GX-646BLを使っていると、昔、短期間で、このオープンデッキを手放してしまった、という
感傷みたいなモノが沸々と心にわいてきたので買い戻す事にしました。実際に良いオープンリールデッキなんですよGX-646は。
後輩は現在も将来においても使う予定もないのに手放すのを渋りましたけども… はい、無理やり納得させました(爆)
「機械モノは○○○と同じで飾り物じゃないんだ。 使って性能を発揮させて、メンテナンスしてやって、
たまには虐めて、たまには御機嫌をとって可愛がってやらんとダメなんだ、判るか?」とか?
ワケの判らないセリフを言ってやり、納得させたのでした。 っふ
引き取ったのは今年の1月で、それから毎日電源を入れて動作チェックをしているのですが、なかなか状態は安定しています。
でも、20年以上も通電していなかったみたいだし、古い製品なので電子部品から火を噴くかもしれませんので
メカ系と共にオーバーホール(OH)をしなければいけません。 うん、お金貯めなきゃね^^