早熟の詩人アルチュール・ランボーの詩集「地獄の一季節」です。
関連コラムでは2001/07/26の「恩師を想う」があります。
ランボーと最初に出会ったのは中学3年の頃だったと思います。
その頃、私にはトラウマが存在していました。
いつか、思い切ってコラムにしようと思っています。
私の地獄の一季節に出会った、この詩集は激しく生きる事を示していました。
彼はこの「地獄の一季節」を書き上げる事によっても地獄と縁を切る事は出来なかったと言う。
人間社会がそこにも、あそこにも存在する限り、この地獄は絶えず彼につきまとい
詩の世界にも憬れの辺境の地にも、彼にとって、安息な地では無かった。
現実家だがなりきれない、夢想家だがなりきれないジレンマがあったと私は思います。
しかし、彼の生き方は、人生が一つの季節であることを示してくれた。
詩人から冒険家辺境の商人に転身した生き方の根底にあったものは浪漫を求める心だったのではないでしょうか?
あこがれと現実のはざまに苦悩し、極限に生きたランボー純粋な心を持った人だと思います。
(地獄の一季節 錯乱より)
見つかった!
何が?永遠だ。
太陽に溶けた
海だ。
おれの永遠の魂よ
おまえの願いを守るんだ
孤独の夜も
燃える昼も。
そしたらおまえは自由になれる
人間どもの同意からも!
世に共通の衝動からも!
思いのままに飛んで行くんだ・・・
希望など全くない。
昇天もありはしない。
学問と忍耐だ、
この責苦こそ確実だ。
もう明日などあるものか、
繻子(しゅす)のような燠(熾)よ、
おまえたちのその熱こそ
人の世のつとめなのだ。
見つかった!
何が?永遠が。
太陽に溶けた
海だ。
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[記事の編集履歴]
2017.11.24(金)「アルチュ-ル」を「アルチュール」に訂正しました。
2002年7月13日~8月1日まで「お気に入りの1枚」コンテンツに掲載したアルチュール・ランボー詩集です。